「ランダムなパスワードやトークンを作りたい！」と思ったことはありませんか？
そんなときに役立つのがランダム文字列生成ツールです。
一見むずかしそうに見えますが、実はHTMLとJavaScriptを使えば、初心者でもシンプルなツールが作れます。
この記事では、特別なライブラリや難しい知識は不要！
基本的なHTMLとJavaScriptだけで、文字列をランダムに生成するツールを作る方法を、わかりやすく解説します。
「自分でツールを作ってみたい！」という方は、ぜひ参考にしてください！
はじめに：なぜランダム文字列生成ツールを作るのか？
現代のデジタル社会において、ランダム文字列は私たちの暮らしやシステムを支える大切な役割を果たしています。
パスワードやトークン、テストデータなど、様々な場面で「予測できない文字列」が必要とされるのはなぜでしょうか？
まずは、その理由と活用例を見てみましょう。
ランダム文字列の主な活用例
- パスワードやAPIキーなどのセキュリティ要素:
不正アクセスを防ぐために、予測不能なパスワードやAPIキーが必要です。 - セッションIDや認証トークン:
ユーザーの「なりすまし」や「セッションハイジャック」といった攻撃からシステムを守るために、予測不可能なIDやトークンが使われます。 - テストデータやダミーデータ:
個人情報などの機密データを扱うことなく、安全にシステムテストを行うために、ランダムなデータが利用されます。 - ユニークID (UUID):
データベースや分散システムで、重複しない識別子を付与し、データの一意性を保ちます。
この記事で学べること
この記事では、こうした重要なランダム文字列をHTMLとJavaScriptを使って、誰でも簡単に作る方法を解説します。
特に以下のポイントに注目して進めます。
- 基本的なランダム文字列生成の仕組み
- パスワード生成時に気をつけたいセキュリティの基本
- シンプルな機能でまずは動くツールを作ってみる体験
難しい知識は必要ありません！
一緒に作りながら学び、あなた自身のツール作りの第一歩を踏み出しましょう！
STEP 0：HTMLファイルを作って動かしてみよう
まずは、ランダム文字列生成ツールを作る準備として、HTMLファイルの基本的な作り方を確認しましょう。
初心者の方でも心配ありません！以下の手順に沿って進めてください。
ファイルを作成する手順
1. デスクトップなど、分かりやすい場所に新しいフォルダを作成し、random-string-tool などの名前を付けます。
2. フォルダの中に、index.html という名前の新しいファイルを作成します。
3. 作成した index.html をテキストエディタ（Visual Studio Codeやメモ帳など）で開きます。
HTMLファイルの基本の形
以下のコードを index.html にコピー＆ペーストしてください。
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<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="UTF-8"> <title>ランダム文字列生成ツール</title> </head> <body> <h1>ランダム文字列生成ツール</h1> <!-- ここにJavaScriptコードやHTML要素を追加していきます --> </body> </html> |
動作確認の方法
保存したファイルをブラウザ（ChromeやEdge）で開くと、「ランダム文字列生成ツール」 というタイトルが表示されればOKです。
これで、ツール作りの土台ができました！
STEP 1：HTMLの基本構造を作成する
次に、ツールの見た目（画面の構成）を作るためのHTMLの基本部分を追加していきます。
今回は初心者向けなので、必要最低限のシンプルな構成にします。
<body>タグの中に、以下のHTMLコードを追加してください。
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<label for="length">文字数：</label> <input type="number" id="length" min="1" value="12"> <button id="generate">生成する</button> <p>結果：</p> <p id="result"></p> |
コードの意味を簡単に解説
<label>と<input>：ユーザーが生成したい文字数を入力する欄を作ります。<button>：クリックするとランダム文字列を生成するボタンです。<p>：結果を表示する場所です。生成された文字列がここに表示されます。
これで、ボタンや入力欄がある基本の画面が完成です！
次は、JavaScriptで文字列生成の仕組みを作っていきましょう。
STEP 2：JavaScriptでランダム文字列を生成する処理を書く
次は、ボタンをクリックしたときに、ランダムな文字列が表示される処理をJavaScriptで作成していきます。
ここでは、Math.random() という関数を使って、ランダムな値を作り出す方法を学びます。
まずはJavaScriptのコードを書こう
以下のコードを、HTMLファイルの最後の </body> タグの直前に追加してください。
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<script> document.getElementById('generate').addEventListener('click', function() { const length = Number(document.getElementById('length').value); const characters = 'ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZabcdefghijklmnopqrstuvwxyz0123456789'; let result = ''; for (let i = 0; i < length; i++) { const randomIndex = Math.floor(Math.random() * characters.length); result += characters[randomIndex]; } document.getElementById('result').textContent = result; }); </script> |
コードのポイント解説
document.getElementById('generate')
→ HTMLの「生成する」ボタンを取得しています。addEventListener('click', function() {...})
→ ボタンがクリックされたときに、指定した処理を実行する部分です。Math.random()
→ 0以上1未満のランダムな小数を生成します（例：0.23456789...）。Math.floor()
→ 小数点以下を切り捨てて、0からcharacters.length - 1までの整数を作ります。characters[...]
→ 用意した文字の中から、ランダムに1文字ずつ選んで結果に追加しています。textContent = result;
→ 最後に生成したランダム文字列を、HTMLの表示部分に反映しています。
ここまでの確認
保存してブラウザで表示し、ボタンをクリックすると、指定した文字数のランダム文字列が表示されれば成功です！
（例：f4K7G9p2Lz のようなランダムな文字列が生成されます。）
STEP 3：ボタンで文字列を生成して表示する
最後に、作成したJavaScriptの処理をボタンの動作と連携させる部分を確認していきましょう。
STEP 2で書いたJavaScriptコードには、すでに「生成する」ボタンがクリックされたときにランダム文字列を作る処理が入っています。
つまり、HTMLとJavaScriptが正しく連携できていれば、この時点でボタンをクリックするたびに文字列が表示される状態になっているはずです！
確認してみよう
1. ブラウザで index.html を開きます。
2.「文字数」欄に任意の数字（例：10）を入力します。
3. 「生成する」ボタンをクリックします。
4. 下にランダムな文字列（例：f4K7G9p2Lz）が表示されればOK！
よくある間違いポイント
- ボタンをクリックしても何も表示されない場合
→ JavaScriptコードが正しい位置に書かれているか確認してください（</body>の直前にあるかどうか）。 - エラーが出る場合
→ HTMLのID名（generateやlength）とJavaScript内のID名が一致しているか確認しましょう。 - 文字数がうまく反映されない場合
→ 入力欄に数字を入れ忘れていないか確認してください（初期値は12になっています）。
これで、シンプルなランダム文字列生成ツールが完成です！
次は、完成したコード全文と解説パートに進みます。
サンプルコード全文とポイント解説
ここまでの手順で作成したランダム文字列生成ツールの完成版コードを、全文まとめて掲載します。
初心者の方でもコピペでそのまま動かせるように、シンプルでわかりやすいコードになっています。
必要に応じて、少しずつカスタマイズして学んでいきましょう！
完成版のHTMLファイル全体コード
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<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="UTF-8"> <title>ランダム文字列生成ツール</title> </head> <body> <h1>ランダム文字列生成ツール</h1> <label for="length">文字数：</label> <input type="number" id="length" min="1" value="12"> <button id="generate">生成する</button> <p>結果：</p> <p id="result"></p> <script> document.getElementById('generate').addEventListener('click', function() { const length = Number(document.getElementById('length').value); const characters = 'ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZabcdefghijklmnopqrstuvwxyz0123456789'; let result = ''; for (let i = 0; i < length; i++) { const randomIndex = Math.floor(Math.random() * characters.length); result += characters[randomIndex]; } document.getElementById('result').textContent = result; }); </script> </body> </html> |
コードのポイントまとめ
- HTML部分
→labelとinputで文字数を入力する欄を作成し、buttonで生成ボタンを設置しています。 - JavaScript部分
→Math.random()とMath.floor()を使い、ランダムな文字列を生成しています。 - 簡単な仕組みで動く
→ 難しいライブラリや外部ツールは不要！ブラウザでそのまま動かせるのがポイントです。
これで、シンプルなランダム文字列生成ツールが完成しました！
より実用的なツールにするための機能拡張
今回作成したランダム文字列生成ツールは、ランダムな文字列を作る基本の仕組みを学ぶためのシンプルなバージョンです。
ですが、実際の場面では「もっと便利な機能が欲しい！」と思うこともありますよね。
ここでは、より実用的なツールにするための機能拡張アイデアと、初心者でも挑戦できる簡単な追加コード例を紹介します。
ステップアップのヒントとして、ぜひ参考にしてください！
よく使われる機能拡張の例
| 機能 | 説明 | 難易度 |
|---|---|---|
| 英数字（大文字/小文字）、数字、記号の選択 | 含める文字種を選べる機能 | ⭐⭐（ソース例つき） |
| 特定文字を必ず含める | 必須文字を指定する（例：@や!を含む） | ⭐⭐⭐（紹介のみ） |
| 4文字ごとの区切り表示 | 例：abcd-1234-efghのような区切り表示 | ⭐⭐⭐（紹介のみ） |
| 生成した文字列をコピーするボタン | ワンクリックで結果をコピーできる | ⭐⭐（紹介のみ） |
英数字・記号の選択機能の追加例（簡易版コードつき）
まずは、どの文字種を使うか選べる機能を追加してみましょう。
以下のHTMLを、<label for="length">文字数：</label> のすぐ下に追加します。
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1 2 3 4 |
<label><input type="checkbox" id="useUppercase" checked>英大文字</label> <label><input type="checkbox" id="useLowercase" checked>英小文字</label> <label><input type="checkbox" id="useNumbers" checked>数字</label> <label><input type="checkbox" id="useSymbols">記号</label> |
そして、JavaScriptの document.getElementById('generate') 以下の部分を次のように変更します。
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document.getElementById('generate').addEventListener('click', function() { const length = Number(document.getElementById('length').value); let characters = ''; if (document.getElementById('useUppercase').checked) characters += 'ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ'; if (document.getElementById('useLowercase').checked) characters += 'abcdefghijklmnopqrstuvwxyz'; if (document.getElementById('useNumbers').checked) characters += '0123456789'; if (document.getElementById('useSymbols').checked) characters += '!@#$%^&*()_+-=[]{}|;:,.<>?'; if (!characters) { document.getElementById('result').textContent = '文字種を選んでください'; return; } let result = ''; for (let i = 0; i < length; i++) { const randomIndex = Math.floor(Math.random() * characters.length); result += characters[randomIndex]; } document.getElementById('result').textContent = result; }); |
これで、英大文字・小文字・数字・記号を自由に選んで文字列を作れるようになります！
・最初は「英大文字」「英小文字」「数字」がONになっているので、そのままでも使えます。
・記号を含めたい場合はチェックを入れると、さらに強力な文字列が生成できます。
他の機能拡張アイデア（紹介のみ）
- 特定文字を必ず含める
例：@や!を必ず含めるようにすることで、パスワード作成時の要件に対応。 - 4文字ごとの区切り表示
例：ABCD-1234-EFGHのような見やすい形式に整えることで、コピペ時のミスを防ぎやすくなる。 - 結果をコピーするボタン
ワンクリックで結果をクリップボードにコピーできると、さらに使い勝手が良くなります。
無理に詰め込まなくてOK！
これらの機能は、今すぐ全てを作る必要はありません！
まずは基本のツールを作ってみて、「こんな機能が欲しいな」と思ったときに少しずつ追加していくのが学習の近道です。
今回のツールをベースに、ぜひ自分なりの機能を試しながら作ってみてください！
ツール作りに役立つおすすめの学習リソース
今回のランダム文字列生成ツールの作り方を通して、HTMLやJavaScriptの基本的な書き方、簡単なロジックの組み方を体験できました。
「もっと深く学びたい！」と思った方に向けて、初心者でもわかりやすく学べるおすすめの学習リソースを紹介します。
これからの学びのステップとして、ぜひ活用してみてください！
『確かな力が身につくJavaScript超入門』（SBクリエイティブ）
- JavaScriptを基礎から丁寧に学べる入門書。
- 実践的なサンプルも豊富で、今回のツールのような小さなアプリを自分で作れるようになります。
- 初学者にぴったりの1冊です。
体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方
パスワード生成やトークン作成は、Webセキュリティと深い関係があります。
この本では、SQLインジェクションやXSS、CSRFなど、Web開発者として知っておきたい脆弱性と対策を、図解を交えて丁寧に解説しています。
「セキュリティの基本を学びたい！」と思ったときに、まず手に取るべき定番の一冊です。
まとめ
今回は、ランダム文字列生成ツールの作り方を初心者向けにわかりやすく解説しました。
「ランダムな文字列を作る」という一見シンプルなツールでも、実はパスワード生成やテストデータ作成など、さまざまな場面で役立つ重要な役割を持っています。
まずは、今回ご紹介した基本的な作り方をもとに、シンプルなツールを作ってみることが大切です。
そして、文字種の選択や特定文字の挿入、コピー機能の追加など、少しずつ自分好みにカスタマイズすることで、実用性の高いツールへと成長させていきましょう。
「自分で作ったツールが動いた！」という体験は、学習の大きなモチベーションになります。
ぜひ、この記事をきっかけに、ツール作りを楽しんでみてください！
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